「読書感想」【錯迷】堂場 瞬一著 書評
鎌倉南署の署長が無くなり、本部は自殺を疑い新署長を送り込む。
赴任早々、殺人事件が発生。
南署のメンバーが何かを隠している行動している中、5年前の未解決殺人事件と絡み、事件の解決に向かっていく。
堂場瞬一の警察ものにしてはマズマズ。
キャラがしっかりしているので、展開が進んでもぶれず、それぞれの事件の収まりかたもスムーズ。
今回の設定的には同じ署での展開は難しいけど、署長の活躍ぶりはシリーズ化しても良いかも。
「読書感想」【テロリストの処方】 久坂部 羊著 書評
医療分野でも勝ち組と負け組にはっきり分かれた将来の日本で、勝ち組医師を狙ったテロが続けて起きる。
現場にはある共通したメッセージが残されており、医学部同級生だった当時の仲間の一人が関係していると関与している形跡がある。
医療崩壊への警告を舞台にした医療ミステリー。
医者でもある著者らしい医療への切り込み方でメッセージ性を持たせながら、物語もしっかりと構成されている。
最後までミステリーとして結末が分からない点は評価できるが、ほぼ医者だけの視点で話が進むのでどうも医療を扱うにしては人間味が足りない。