「読書感想」【危険なビーナス】東野 圭吾著 書評
「読書感想」【なかなか暮れない夏の夕暮れ】江國香織著 書評
50歳で資産家の稔。
友人の会計士に一切の金銭管理を任せ、自分は本ばかり読んでいる。
たまに別れた娘と会うことが楽しみ。
姉も同じ会計士に金銭管理は任せ、ドイツに住みたまに日本に帰って来る。
この兄弟に、別れた妻や、道楽で経営しているアイスクリーム屋の店員やシングルマザーの元店員、マンションの店子である飲食店経営者の女性などとの交流を描く。
主人公稔の読んでいる「小説」自体が物語と平行して登場し、最初は戸惑う。
ただ、慣れてくると惹き込まれていく。
このような大人も描き方は、著者の特徴のひとつ。
好き嫌いは分かれると思う。
「読書感想」【やめるときも、すこやかなるときも】窪 美澄著 書評
家具職人の主人公は毎年12月の数日間声が出なくなる。
原因は高校生の時住んでいた松江での出来事。
友人の結婚式で出会い、その後仕事でも関係する女性は、困窮する家族を金銭面で助け、妹はさっさと結婚で家を出てしまい、家に縛り付けられている。
途中までは期待先行で面白く読める。
ただ後半、謎が明かされてくると、完全に手あかのついた展開で、1ミリたりとも予想外の展開が起きずタイクツの一言。
窪美澄は時々こういうタイクツな内容を書く。