川のテラスコート

3人の子供と父で暮らしています。子供が学校行っている時はトライアスロンのトレーニングしたり、投資したり、友人と食事したり読書したり。

「読書感想」【ソロ SOLO】笹本稜平著 書評

笹本稜平の真骨頂の山岳もの。

今回はヒマラヤのローツェ南壁が舞台。

 

普段ソロで壁を登っている主人公。

彼のヒーローであった伝説の登山家トモが当時の常識外れの方法で登ったルートは、後日疑惑をもたれ、その正しさを証明するために挑戦をする。

 

パターンとしては、いつもの通りの、仲間との絆や、反対する勢力の登場。

山を舞台にした、人情ものだが、まあパターン化されているとはいえ、山自体の描き方は現在の作家では他の追随を許さない出来。

 

山岳小説が好きな人にはおすすめ。

 

 

ソロ SOLO

ソロ SOLO

 

 

「読書感想」【ヒストリア】池上 永一著 書評

第二次世界大戦の沖縄で、爆撃によって死ぬはずが魂(マブイ)を落とし、生き残った女性。

家族など自身の身の回り全てを無くすも、力強く戦後の沖縄で商売を始め成功を収めるも、関わった男のせいでアメリカからのお尋ね者になってします。

移民としてボリビアへ逃げていくも、そこでも苦労の連続。

その中でまた成功を納め、そしてすべてを無くしても繰り返しの人生を力強く生きていく。

 

読み応えあって面白い。

著者らしい、沖縄をベースとしている物語であるが、ボリビアをベースに中南米での直面した真実や、チェゲバラを絡ませたり、ナチの生き残りが登場したりなどの飛躍はあるものの、それでも一本沖縄という芯がある物語であり読ませる。

 

魂(マブイ)を落とすという感じは、著者の作品を読んでいる人にはしっくりくるが、いきなりだととっつきにく部分はあるかもしれない。

 

ヒストリア

ヒストリア

 

 

「読書感想」【花のようなひと】佐藤 正午著 書評

人々の日常を花をモチーフにして、描く物語。

綺麗な文章だとは思うけど、ちょっと著者に期待していたものとは違った。

 

こういう文章に深く思いを寄せる感性がある人は繊細な人なのかなと思うけど、自分には合わなかった。

 

 

花のようなひと (岩波現代文庫)

花のようなひと (岩波現代文庫)