川のテラスコート

3人の子供と父で暮らしています。子供が学校行っている時はトライアスロンのトレーニングしたり、投資したり、友人と食事したり読書したり。

「読書感想」【さらさら流る】柚木麻子著 書評

昔付き合った同級生に取られた裸の写真が、6年後に流出しているのに気が付く。

付き合い始めたきっかけの出来事からの時間と、現代の時間を織り込みながら、物語は進んでいく。

 

写真を撮られた女性の心理描写や、家族との関係の描きかた、友人の関わり方などの人物描写はさすが柚木麻子らしい筆力。

 

ただ男性側の人物に感情移入する部分がないので、物足りず。

女性の関係性と同時に、もっと男性側の描き方を抉ってほしかった。 

 

さらさら流る

さらさら流る

 

 

「読書感想」【ホワイトラビット】伊坂幸太郎著 書評

いつもの仙台を舞台にした、立てもこもりを舞台にしたミステリー。

 

何気ない会話と思わせて、後で伏線だったと思わせる数々はさすが伊坂幸太郎の得意のするところ。

著者の作品ではおなじみの黒澤が中心に描かれてはいるが、全体出来にはいつもの黒澤の活躍を楽しむというよりは、ストーリー的には安定感ある反面、きれいに展開しすぎてあっさり終わってしまう感じも強い。

 

くせが強くないので、誰でも伊坂作品として楽しめる一冊。

 

 

ホワイトラビット

ホワイトラビット

 

 

「読書感想」【誰かが見ている】宮西真冬著 書評

ブログで嘘で幸せな生活を描く事で、自己肯定を求める子持ちの主婦を始め、園の教諭など関係する女性たちの二面性から発生するサスペンスを描いていく。

 

最初は、読み進めるのがイヤな感じを予感させるイヤミスを思わせるが、それでも読み進める事を止められない描写。

 

登場人物の感情表現が上手く、感情移入したすい展開で、また後半に向かうにつれそれぞれの人物の繋がりが描かれ、引き込まれていく。

 

結末はややパンチ不足感を感じさせる終わり方ではあるけど、今後が楽しみな作家である。

 

誰かが見ている

誰かが見ている