川のテラスコート

3人の子供と父で暮らしています。子供が学校行っている時はトライアスロンのトレーニングしたり、投資したり、友人と食事したり読書したり。

「読書感想」【ノーマンズランド】誉田哲也著 書評

姫川玲子シリーズで安定の面白さ。

 

葛飾署管内での殺人事件の応援に入った姫川班を含む捜査1課11係。

容疑者が浮かぶものの、既に他の事件で拘束されている人物であることが分かるが、その事件については一切秘匿されており、情報がない。

事情を探るうちに、大掛かりな黒い背景が浮かび上がってくる。

以前の姫川班の面々も登場し、またガンテツの現代のスタイルになる背景が明かされるのは、シリーズとしての強いアクセントとして描かれる。

 

ガンテツのキャラは、このシリーズでは嫌なタイプとしての登場ながら欠かせない人物。

 

北朝鮮憲法9条も背景に展開し、従来と異なるスケール展開もある。

 

今後も楽しみなシリーズ。

 

ノーマンズランド

ノーマンズランド

 

 

 

「読書感想」【卑劣犯 素行調査官】笹本稜平著 書評

警視庁観察室の面々が事件の解決に奮闘するシリーズ。

 

警察ものとしてはリアル感はないものの、シリーズを通して中心メンバーの3人がぶれずに活躍する姿は安定感あり。

あらかじめ殺人事件として追うべき警察内部の犯人の目星をつけての、アプローチとなるため、犯人を推理するような展開ではないが、事件の組織的背景は楽しめる。

 

本格的な警察ものを楽しむ人には楽しめないが、シリーズ通しての登場人物達の活躍ものとしてはまずまず。

 

ただ笹本稜平はやっぱり山岳ものとか冒険ものの方が圧倒的に面白い。

 

卑劣犯 素行調査官

卑劣犯 素行調査官

 

 

「読書感想」【ディレイ・エフェクト】宮内 悠介著 書評

現代の東京で、戦時中の同じ場所の風景が透けて見えるという不思議な現象で生きている人々。

東京大空襲の時間が刻々と近づいてくる中、日常を過ごしている。

 

斬新な切り口の作品。

好みは分かれそうだけど、ひきつけられる何かがある。

一見目に見える事実だけではない、見えない本質がある点の描写が独自。

 

他の短編2編も悪くない。

 

ディレイ・エフェクト

ディレイ・エフェクト