川のテラスコート

3人の子供と父で暮らしています。子供が学校行っている時はトライアスロンのトレーニングしたり、投資したり、友人と食事したり読書したり。

読書

「読書感想」【引き抜き屋(1)鹿子小穂の冒険】雫井脩介著 書評

アウトドア用品メーカーの創業者の娘が、社長である父親がヘッドハンティングで入社させた役員と対立して、社外に去ることに。 偶然が重なり、ヘッドハンターとして活動することになり、一歩一歩経営や、企業について学んでいく。 経済ものではあるが、周囲…

「読書感想」【玉村警部補の巡礼】海堂尊著 書評

バチスタシリーズのスピンアウトである、玉村警部補と加納警視正のコンビで事件を解決。 四国88か所の巡礼を休暇で行う玉村警部補に、勝手について来た加納警視正。 各県で、遭遇した事件を解決しながら、お遍路の事情も踏まえながら話は進む。 事件解決に関…

「読書感想」【AIのある家族計画】黒野伸一著 書評

未来のAI型人間が日常にいる世界。 会社では上司がAIになり、単純な作業はAIに置き換わり、人々は裕福層と一部の中産階級と、地方で自給自足を行う下層階級に分かれる。 ロボットが日常の世界を描きながらも、描いている場所が神奈川のローカル風景だったり…

「読書感想」【半島へ 陸自山岳連隊】数多久遠 著 書評

北朝鮮の崩壊に合わせて、天然痘の研究施設からのウィルスを奪う任務と、拉致被害者たちの救出を図る任務を帯びた自衛隊隊員たちの活躍を描く。 スケール的には大きな話だけに、全体ストーリーはともかく描き方が急ぎすぎで細部を描けていないので、あっさり…

「読書感想」【棲月: 隠蔽捜査7】今野敏著 書評

隠蔽捜査シリーズ。 鉄道会社のシステムと銀行システムがダウンし、大森署署長の竜崎は署員を送り込む。 また管内でリンチと思われる少年の殺人事件も同時に発生し、大森署に帳場が立つ。 いつもの通り、原理原則を通す署長に対して、警視庁本部の面々は振り…

「読書感想」【青くて痛くて脆い】住野よる著 書評

人と距離を置くのを信条とした大学生が、周囲の空気を読まずに理想を語る同級生の女性と出会う。 彼女の熱意にほだされ仕方なく、2人で理想を追う秘密結社「モアイ」を作るが、いつしかそのモアイは巨大化し、彼女と距離を置くことになる。 相変わらず、住野…

「読書感想」【オリンピックへ行こう! 】真保裕一著 書評

卓球、競歩、ブラインドサッカーを舞台にオリンピックを目指す人達を描く。 面白い! 特に卓球の戦術などの描写が詳しい。 これを読んでから、卓球の試合を見ると、ゲーム中の思考を思い、今までにない楽しみくゲームを見ることができる。 どの話も、丁寧な…

「読書感想」【極小農園日記】荻原浩著 書評

家庭菜園を中心としたエッセイ。 直筆の挿絵のイラストと合わせて、著者の人となりが伝わる。 悪くはないけどエッセイより、小説の方が読みたい。 極小農園日記 作者: 荻原浩 出版社/メーカー: 毎日新聞出版 発売日: 2018/03/09 メディア: 単行本 この商品を…

「読書感想」【おまじない】西 加奈子著 書評

色々な立場の女性が出てくる短編集。 それぞれ、人生において悩みや考えることがあるけど、「言葉」に救われる。 読みやすいので、あまり読書時間が取れない人や、読書習慣ない人でも受け入れやすいはず。 ただ半面、読みやすすぎて、読了後の満足感は低い。…

「読書感想」【私はあなたの記憶のなかに】角田光代著 書評

現在と過去の記憶をつなげる物語の短編集。 どれも著者らしいなと思える作品ではあるけど、日常を切り取っているせいか、あまり読み終わると印象に残らない。 やっぱり長編の方が良さがでる作家だと思う。 エッセイも面白い作家だけど。 私はあなたの記憶の…

「読書感想」【スイート・ホーム】原田マハ著 書評

人気洋菓子店の長女の物語から始まる連作短編集。 妹や叔母など主人公に時間軸を変えて、展開していく。 原田マハいったいどうしてしまったんだろう。 ひどい。 初期の作品だったら、同じ人間のやさしさを描くにしても、もっと内面に入っていく読み応えある…

「読書感想」【長く高い壁】浅田次郎著 書評

日中戦争時の万里の頂上で起きた、部隊10人が亡くなった事件。 敵との交戦ではなく、不可解な事件であり、従軍作家として中国を取材していた作家が事件の真相を負うため、検閲官とともに現地に派遣される。 残った現地部隊の面々の尋問と、現地の憲兵の話を…

「読書感想」【そして、バトンは渡された】瀬尾まいこ著 書評

親の都合で、父親が3人、母親が2人いる女子高生。 彼女の人生を振り返り、当時の状況から親が変わった事実を通して、それぞれの親が精いっぱい彼女を愛していたことが伝わる物語。 親としてかかわる人々の心の純粋さが心にしみる。 自分の人生だけでなく、血…

「読書感想」【不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか】鴻上尚史著 書評

特攻隊員として9回も生還した佐々木友次氏を描いた物語。 著者が佐々木友次氏とのインタビューした内容も後半に合わせて掲載。 一般的に知られている特攻隊員の姿(著者は命令した側の主張が広く伝わったためと考えている)だけではない、リアリティある姿が…

「読書感想」【海馬の尻尾】荻原浩著 書評

2度刑務所に行ったにも関わらず、組内での立場は低い及川頼也。 暴力をいとわず、アル中のヤクザの彼は、ある日組長の車に発砲した抗争相手を追跡し、山中で殺してしまう。 対抗相手からの復讐から逃げるため、アル中の治療で山中にある医療施設の8週間プロ…

「読書感想」【劇団42歳♂ 】田中兆子著 書評

ややこしい男のプライドを持った演劇仲間の同級生が、約20年ぶりに1日限りの演劇を復活させることに。 それぞれの事情を抱えながら、何とか公演初日に向けて、バタバタと格闘する様を描いていく。 人間の描き方が秀逸。 各自の葛藤や、昔からの人間模様を引…

「読書感想」【遠縁の女】 青山文平著 書評

タイトル作品を始めとする、武家時代を描く小説の短編集。 どの作品も人間をきちんと描けていて引き込まれ、素晴らしい。 単なる時代小説ではなく、それぞれ人々の暮らしがリアルに迫ってくる。 全く派手さはない短編作品でありながら、読みおわったあとの充…

「読書感想」【みちづれはいても、ひとり】寺地はるな著 書評

同じアパートに隣り合って住むアラフォーの女性2人 一人の独身女性は退職し、夫と別居中の女性は休職中。 2人とも無職の時に、失踪中の別居している旦那が生まれ故郷の島にいるとの噂があり、女2人旅でその島に行くことにする。 登場人物は多いわけではない…

「読書感想」【国会議員基礎テスト】黒野伸一著 書評

栃木県の3代目として国会議員になった黒部優太郎。 ボンとよばれ、部会や委員会をざぼり、いつも父親の代から秘書である橋本がしりぬぐいをしていた。 そんな官僚出身の橋本は、国会議員も一定の学力があるものが就任するべきとの考えから、自分の使える黒部…

「読書感想」【ルビンの壺が割れた】宿野かほる著 書評

突然SNS経由で送られてきたメール。 送り主は、学生時代付き合っていた男からだった。 それをきっかけに不定期に、メールのやり取りをすることに。 そのメールの内容によって、男女の関係だけでなく、当時の周辺人物達の様子が明らかになっていく。 読みやす…

「読書感想」【騙し絵の牙】 塩田武士著 書評

出版会社の雑誌編集長が主人公。 業界の不振で、廃刊が相次ぐ中、ついに担当雑誌も黒字化しないと廃刊の危機に陥り、廃刊を阻止するべく奮闘する。 面白い! 出版業界を丁寧に取材したと思わせるディテールはもちろん、日和見な上司や、それぞれ癖がある同僚…

「読書感想」【刑事の怒り】薬丸岳著 書評

人情ものの夏目刑事シリーズ短編集。 どの話も事件の解決に向けて、少し寂しい気持ちになってしまう。 夏目刑事の家庭背景だけでなく、新しい相棒も心に傷を負っているなど、いつもの通り、人間としての心の奥底を除きながら展開していく。 読んで面白い!と…

「読書感想」【護られなかった者たちへ】中山七里著 書評

社会保証制度をベースにした、一応社会派ミステリー。 仙台の社会保険事務所の職員が餓死の状態殺害されているのが発見される。 その後、元その職員の上司も殺害される。 一方刑務所から仮出所した男は、過去に社会福祉事務所に乗り込んで職員に暴行している…

「読書感想」【路上のX】桐野夏生著 書評

さすが桐野作品という真骨頂の女性を描いた作品! 親に捨てられ行き場をなくし渋谷をうろつく女子高校生が主役の物語。 不条理を嘆きながらもお金のために自分を切り売りする彼女たちに襲い掛かる、一枚上手の欲望にまみれた大人たち。 大人も女子高校生も登…

「読書感想」【表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬】若林正恭著 書評

オードリー若林氏のキューバ旅行のエッセイ。 一人でキューバで体験したことが、彼の人柄そのままに伝わってくる。 ただの旅行記とは違う、血の通った旅の一コマが伝わってきて心地よい。 表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬 作者: 若林正恭 出版社/…

「読書感想」【ノーマンズランド】誉田哲也著 書評

姫川玲子シリーズで安定の面白さ。 葛飾署管内での殺人事件の応援に入った姫川班を含む捜査1課11係。 容疑者が浮かぶものの、既に他の事件で拘束されている人物であることが分かるが、その事件については一切秘匿されており、情報がない。 事情を探るうちに…

「読書感想」【卑劣犯 素行調査官】笹本稜平著 書評

警視庁観察室の面々が事件の解決に奮闘するシリーズ。 警察ものとしてはリアル感はないものの、シリーズを通して中心メンバーの3人がぶれずに活躍する姿は安定感あり。 あらかじめ殺人事件として追うべき警察内部の犯人の目星をつけての、アプローチとなるた…

「読書感想」【ディレイ・エフェクト】宮内 悠介著 書評

現代の東京で、戦時中の同じ場所の風景が透けて見えるという不思議な現象で生きている人々。 東京大空襲の時間が刻々と近づいてくる中、日常を過ごしている。 斬新な切り口の作品。 好みは分かれそうだけど、ひきつけられる何かがある。 一見目に見える事実…

「読書感想」【映画化決定】友井羊著 書評

漫画家志望の男子高校生と映画制作で才能を認められている女子高生。 最初は拒絶していた漫画を原作に、映画を作る物語。 一応青春物語という切り口なのだろうけど、何もかもひどい。 高校生ではありえない知識や行動、むしろ20代後半の出来事としたほうがま…

「読書感想」【アキラとあきら 】池井戸潤著 書評

同じ「あきら」という名前を持ちながら、片や跡継ぎとして裕福な家庭に育ち、もう一方は親の工場が倒産する貧しい家庭に育つ。 そんな2人はそれぞれの環境で努力し、同じ銀行に勤めることになる。 面白い! 人間関係の描き方は相変わらずの池井戸ワールド。 …