【読書感想】 犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼 – 雫井 脩介著 やはり1作目を上回るのは中々難しいのか
振り込み詐欺グループが摘発を受けたのを機会に、誘拐ビジネスを行う。
成功確率が低く割に合わない犯罪と言われている誘拐を、過去の失敗から学び交渉者を変える事により誘拐ビジネスとして実行する。
それに対応するのが、神奈川県警の巻島警視を始めとする前作からのメンバー達。
前作のスピード感あふれ、登場人物の躍動感を期待すると果たしてシリーズものと言えるのか。
確かに登場人物は揃っているが、前作では事件解決だけでなく巻島の挫折からの復活までの心情描写も読み応えあったが、今回は全体的に臨場感はなく個別に心情移入する人物もおらず、誘拐ミステリーとしては悪くはないが特出したものは見受けられず。
好きな作家の一人でもあり期待値が高いのはあるが、楽しく読んだもののもう少しこのシリーズなら何とかならなかったのかという残念な部分が残る。
ラストからすると今後も続くシリーズものにする模様なので今後に期待。
雫井脩介は登場人物の心情描写がとても上手く魅力的に描く作家の一人だと思って言える。
下記2作品も、人物描写が素晴らしい。
「火の粉」
「検察側の罪人」