【蛮政の秋】 堂場 瞬一著 - マスコミと政治の間に仕掛けられた罠
新聞記者に違法献金リストがメールで届く。
同じものが野党政治家の手にも入り、与党追及の切り札にしようとするが…
別冊「警察回りの夏」で主人公だった南記者が本社にあがったj状況でのシリーズ。
前作はマスコミの誤報を扱い、読み応えあったので本作品も期待して読み始める。
メール送信者と思われる大手ソフト会社の社員の失踪や、落選議員の悲壮とあがき、裏工作が得意な政治家などが入り乱れ、途中までは面白く、先が気になる。
それだけにラストの締まらなさには残念。
多分これは、後2作「秋」「春」とシリーズ化するのを念頭に置いているからこその失敗だと思う。
あえて必要なかった「大手新聞社の身売り」話が多分、次作に展開するのでは。
そしてそれに主人公の南が記者という役割ではなくて、絡んでくる。
なんか続編の構想の中での一部分という感じで、欲求不満。
もっと1冊ごとに向き合ってこそのシリーズものが面白くなるだろうに。
次の冬編が出てから読んでも問題ない作品でした。