「読書感想」 【サラバ! 上下巻】 西 加奈子著 -自分の信じるものを手に入れる大切さ
イラン、エジプト駐在で輝いていた家族が、日本の中でバラバラになっていく。
主人公の男の子は小さい時から、自分勝手な姉を反面教師にして避けて暮らしていく知恵をつけていくが、人生のいくつかの場面でその姉が絡んでくる。
また自信を持っていた自分自身に関しても30代になり外見から始まり、自分を見失っていく。
その反面、姉は変わっていく。
正直上巻は説明が長くてだれる。
でも下巻に入ってくると、展開も変わり、登場人物たちの色が鮮やかについてきて物語が面白くなってくるので、上巻であきらめず下巻まで我慢してほしい。
そして前半は冗長であるが、結果的にはラストまで読むと必要な前半描写だったと理解できる。
西加奈子の作品と考えると、もう少し期待値は上ではあるが、全体的には悪くない終わりへの持って行き方だった。