「読書感想」【赤毛のアンナ】 真保 裕一著
孤児院育ちのアンナが、男を刺して逮捕されるニュースに驚く、昔の友人たち。
アンナは「赤毛のアン」に憧れ、自らもアンのように幸せを求めていたはずだが、里親に選ばれるチャンスの時、評価が高かった仕事を止めざるを得ない時など、様々な場面で前向きだった彼女に何が起こったのか。
途中までは読むのが辛い身の上で終わるのかと思わせるが、後半から今まで彼女に起こった出来事の背景が明らかになっていく。
彼女の人生に関わってその後疎遠になっていた人物達が、事件をきっかけに彼女とのつながりの再構築を模索する。
いつもの著者の作品とは毛色が違うが、この手の作品も良かった。