第二次世界大戦でヨーロッパ戦線に派遣されるコック兼務の兵士たちの話。
戦時中に起こったいくつかの謎を解いていくミステリー要素を盛りながら、戦争の負の面をしっかりと描いていく。
戦友の死、ユダヤ人に対して行われた現実など本編を楽しみながら、メッセージ性もしっかりと伝わる。
日本人がヨーロッパ戦線を描くというのは簡単ではないと思われるが、とても丁寧に下調べしているのか、歴史に沿って違和感なく物語は展開している。
戦争という題材からして万人受けはしにくい題材ではあるが、作品としては淡々とした描写ながら心に残る良い作品である。
始めて読んだ作家だけど、今後注目していきたい一人である。