ピカソの描いた「ゲルニカ」をめぐる物語。
描かれた当時の状況と、現代のアメリカとスペインを絡めながらフィクションとノンフクションを織り交ぜ物語が進む。
原田マハしか描けないアート小説であり、ピカソや周辺人物の愛人であり写真家のドラ・マール、スペイン人のパルドなどの人間模様がとてもうまく描かれている。
それだけに現代の描写が余計すぎて残念。
特にテロを絡ませたりするラストは完全にそれまでの展開を台無しにする。
勿体ないとしか言いようがない。
それでも全体的には「ゲルニカ」をベースに平和をテーマにする作品自体は悪くない。