川のテラスコート

3人の子供と父で暮らしています。子供が学校行っている時はトライアスロンのトレーニングしたり、投資したり、友人と食事したり読書したり。

「読書感想」【壁の男】 貫井 徳郎著 書評

貫井徳郎らしい表面には現れない人間の奥底を描く作品。

 

田舎町で自宅だけでなく、近所の家に下手な絵を描く男。

その男が描く絵が町全体のアートとして人気を博し、観光客がやってくるようになる。

彼は何故下手な絵を描くのか。

 

フリーライターの取材の時間軸に沿って、彼の生い立ち、絵を描く理由が判明していく。

 

久しぶりに貫井徳郎で満足させてくれる作品だった。

「慟哭」や「乱反射」の頃の作品が一番好みだけど、これもまた違った観点で人間模様を描く良い作品である。

 

ただ万人受けするような作品ではないので(貫井作品全般に言えるが…)、読み手は選ぶ。

 

壁の男

壁の男