「読書感想」【不発弾】相場英雄著 書評
金融コンサルの「古賀」が、貧しい炭鉱育ちから証券会社に入社。
場立から、個人営業、法人営業で成績を伸ばし、金融コンサルを名乗り、企業の財テクの損失隠しで外資金融と組み存在感を示していく。
一報三田電機という東芝をモデルとした総合メーカーの粉飾決算を、不適切会計として処理したことに憤慨する警視庁捜査2課のキャリア刑事「小堀」。
小堀が三田電機を洗う過程で「古賀」の名前が出て彼を追う事になる。
株式市場の40年の歴史を追いながら、物語は進んでいく。
モデルの東芝の原発の隠し損失など、執筆時点では表になっていなかった内容を網羅し、実際の日本の金融の歴史をなぞっていて物語のリアル性が高い。
ビジネスものとしても面白かった。
巨額損失の一時的な処理とか、外資金融の汚い手口などの一端の描き方も分かりやすく描いていながらもリアルな描写。