愛する女性、我が子が生まれ変わって、子供として目の前に現れる。
いくつかの物語が、時間差を持ちながら進み、一つの物語へと収束していく。
佐藤正午らしいストーリーで、読みやすさもあって序盤から惹き込まれる。
ただラストでの驚きはない。
佐藤正午ならではの緻密な展開を期待するも、後半は予定調和を崩すことなく、またいつもの大きな伏線の回収も魅力の作家だけに期待外れ感は否めない。
輪廻転生で愛を描くというテーマ自体はよくあるもので、それをどうアレンジしてくるのか期待したものの平凡。
これが著者の作品でなければ、まずまずかもしてないが、期待値からは残念ながら遠い。