「読書感想」【1934年の地図】堂場 瞬一著 書評
戦前の日米野球で来日したディック。
そのチームの通訳として、特に日本語を話せるディックと進行を深めた地理学者の京極。
2人はその後もゆるい交流を続けていたが、研究者のディックが1年日本に来ることになり、親交が復活。
だが、京極はアメリカの学会でディックの戦前の来日が別な目的があったのではと疑念を抱く。
ストーリー的に期待させて読み進めるが、せっかく面白くなってきた後半がまったく話が広がらず拍子抜け。
堂場瞬一の作品って、こういうことよくあるんだよな。
実際のベーブルースなどの来日は史実に基づいて、どれだけ野球を絡ませるのかと思いきや、史実を離れると平凡すぎる内容だし、題名に関連する地図の話だって、まさかと思うくらい表面的。
途中までは面白かったけど、読み終わってみればエンタメでもサスペンスでもなかった。