「読書感想」【劇場】又吉直樹著 書評
劇作家として小さな劇団に所属している主人公。
自分の性格も相まって、人生も劇団の仕事も上手くいかず、精神的に死にかけていた時に出会った恋人。
主人公のダメさ加減と、そんな中でも焦る気持ちと流される日常がリアルに描かれている。
もがき苦しみながら生きていきながら、身近な人への心配りが出来ない人物描写が際立っている。
なんか、自分の若いころのあせる気持ちの一部を思い出させるようで、読んでいて苦しくなる部分もある。
ハッピーエンドとして終わらない部分も、現実感だしていて良い。
面白さを感じるかは人それぞれだと思うし、作品としての完成度に不満がある人も当然いると思うが、著者らしい心の叫びが伝わる作品である。