「読書感想」【ヒストリア】池上 永一著 書評
第二次世界大戦の沖縄で、爆撃によって死ぬはずが魂(マブイ)を落とし、生き残った女性。
家族など自身の身の回り全てを無くすも、力強く戦後の沖縄で商売を始め成功を収めるも、関わった男のせいでアメリカからのお尋ね者になってします。
移民としてボリビアへ逃げていくも、そこでも苦労の連続。
その中でまた成功を納め、そしてすべてを無くしても繰り返しの人生を力強く生きていく。
読み応えあって面白い。
著者らしい、沖縄をベースとしている物語であるが、ボリビアをベースに中南米での直面した真実や、チェゲバラを絡ませたり、ナチの生き残りが登場したりなどの飛躍はあるものの、それでも一本沖縄という芯がある物語であり読ませる。
魂(マブイ)を落とすという感じは、著者の作品を読んでいる人にはしっくりくるが、いきなりだととっつきにく部分はあるかもしれない。