「読書感想」【砂上】桜木紫乃著 書評
北海道に住む離婚経験者の独身女性。
いつか作家になる夢を抱きながら、現実はビストロ勤務と離婚した夫からの慰謝料でギリギリの生活を送る毎日。
そんな彼女の目の前に女性編集者が現れ、彼女の人生そのものを物語として描いていくことになる。
彼女の人生とは、15の時に生んだ子供を自分の子供として育てる母との関係を見つめなおすことになる。
著者らしい、北海道の女性の内面を描く物語であり、人間関係の描き方もいつもの通り。
小説を描くことで自分が変わっていくというスタイルの中で、現実と小説が重なりあった構成であるがゆえに、ちょっと話としては伝わりにくい面も。
あと登場人物が物語とはいえ、極端すぎる点が現実感を遠くしている。