「読書感想」【サハラの薔薇】下村敦史著 書評
エジプトで発掘作業をしている学者の主人公が、発掘中に発見した石棺から最近亡くなったと思われるミイラが発見される。
エジプト側はこの発見にかん口令を敷き、学者が乗ったフランスへの移動中飛行機が砂漠の真ん中で墜落する。
その砂漠からの生還を求めて砂漠をさ迷い歩くうちに、次々の追っ手に追われることになる。
一緒に砂漠をさすらうメンバー達が次々の予想しない背景を持っており、予想がつかない展開で単純な逃避行とはならない点が引き込まれるエンタメに仕上がっている。
物語全体の背景として、現代の核をベースにした社会背景をうまく溶け込ませており、舞台は砂漠だけなのにスケールが大きな物語になっている。
ラスト近くまで、ハラハラさせて面白いのだが、ラストがあまりにも拍子抜け。
せっかくの盛り上がりがどうにも中途半端に終わってしまっているのは、残念。