日中戦争時の万里の頂上で起きた、部隊10人が亡くなった事件。
敵との交戦ではなく、不可解な事件であり、従軍作家として中国を取材していた作家が事件の真相を負うため、検閲官とともに現地に派遣される。
残った現地部隊の面々の尋問と、現地の憲兵の話を通して、戦時中の人間模様に迫っていく。
浅田次郎の描く、中国を舞台にした物語はやはり面白い。
当たりはずれのふり幅がものすごい作家だが、今回はガッカリしないで済む作品。
著者の本来の力量からすれば、ラストへの展開はもっと人間味あふれる展開を希望してしますが、まずまず及第点。