「読書感想」【わたしの本の空白は】近藤史恵著 書評
意識不明の状態から目覚めた南は、夫として現れた男性の記憶もなく、夢の中で別の男性を愛していた記憶を持つ。
妹のことはかろうじて肉親として親しみを持つが、家に帰っても、姑や義理の姉との同居でも日常は思い出せない。
自室の本棚に、何かが置いてあった痕跡が残る空間があるが、そこにあったはずのものは夫に聞いてもないと言われる。
第1章は、惹かれる導入。
ミステリーとして期待を持てる展開でありながら、第2章で登場人物の視点が変わるととたんに駄作に変わってしまった。
それ以降はもうグダグダ。
結局本棚の空間も、物語に全く意味を持たないし、何より、構成が雑すぎるというか、これが設定むちゃくちゃ。
もう近藤史恵は初期のころのような面白い作品は永遠に書けないのだろうか…