都内タワマンに暮らす主婦有紗が、見栄を張らざるを得ないママ友との付き合いの中、一人のママ友美雨ママとは仲良くしている。
ただその美雨ママは、同じ保育園のママ友の夫と不倫関係にあり、周囲から距離を置かれている。
有紗自身夫とうまくいっておらず、同じマンションに住む既婚男性に惹かれていく。
桐野作品の輝く分野である、女性の嫌なところを描いているのではあるが、ちょっと毒は薄いし、何より不倫に至る動機が薄い。
ママ友同士の探り合いなどはさすがの描写だけど、女性のドロオロした感情を描き切れたとは言えず。
特に前半は引き込まれ読みやすいんだけど、半面いつもの充実感はない。