「読書感想」【不在】彩瀬まる著 書評
医師である父親が亡くなり、母親と離婚後長らく疎遠にしていた娘に医院を併設していた自宅が相続される。
役者の卵の恋人と、その洋館の整理を進めるうちに、自分の知らない父親の痕跡を見つけていくことになり、父親からの愛に飢えていた自分と、恋人に対してしてしまう行為によって、自分と父親の類似点に苦しむ。
うーむ、著者らしい愛の描き方だとは思うのだけど、展開は平凡だし、言いたいことは伝わるけど、長編にしては退屈。
割と興味を持っている作家のひとりだけど、本作はちょっとパンチ不足。