川のテラスコート

3人の子供と父で暮らしています。子供が学校行っている時はトライアスロンのトレーニングしたり、投資したり、友人と食事したり読書したり。

「読書感想」【デートクレンジング】柚木麻子著 書評

結婚し、義理の母親と喫茶店で働く佐知子。

彼女の親友は、女性アイドルグループのマネージャーとして有名だったが、そのグループが解散し、急に結婚を焦ることにある。

そんな彼女との距離感が次第に離れていくことに。

 

結婚しているかしていないか、子供の有無などで色分けされる女性の焦りを描いているのはわかるけど、ちょっとステレオタイプ過ぎか。

良くも悪くも、女性の描き方はいつもの著者らしいけど、このパターンは飽きがくるというかあまり広がらない。

 

安定感はあるけど、もうひとつ突き抜けた女性を描く作品を読みたい作家。

 

デートクレンジング

デートクレンジング

 

 

 

「読書感想」【わたしの本の空白は】近藤史恵著 書評

意識不明の状態から目覚めた南は、夫として現れた男性の記憶もなく、夢の中で別の男性を愛していた記憶を持つ。

妹のことはかろうじて肉親として親しみを持つが、家に帰っても、姑や義理の姉との同居でも日常は思い出せない。

自室の本棚に、何かが置いてあった痕跡が残る空間があるが、そこにあったはずのものは夫に聞いてもないと言われる。

 

第1章は、惹かれる導入。

ミステリーとして期待を持てる展開でありながら、第2章で登場人物の視点が変わるととたんに駄作に変わってしまった。

 

それ以降はもうグダグダ。

結局本棚の空間も、物語に全く意味を持たないし、何より、構成が雑すぎるというか、これが設定むちゃくちゃ。

 

もう近藤史恵は初期のころのような面白い作品は永遠に書けないのだろうか…

 

わたしの本の空白は

わたしの本の空白は

 

 

「読書感想」【じっと手を見る】窪美澄著 書評

富士山がよく見える、休みの日にはモールで時間をつぶす人々が暮らす田舎で、介護士として暮らす日奈と海斗。

 

二人は同棲をしていたが、日奈は東京から仕事で来た既婚者に惹かれ、地元にしばられる海斗は、日奈を忘れられない中同僚の女性と付き合いだす。

 

それぞれの環境にがんじがらめにされている様や現代の若者の希望の薄さなどが、バックボーンとして物語が進む。

窪美澄らしい作品である。

若者のある種の諦めの感情を掬い取りながら、それでもうっすらとした希望を先に見いだせる物語。

 

実際、今の若者がとりあえず食うことはできるという程度の生活を目指し、全く夢を見れない社会なのだとしたら、とても悲しい現実ではある。

 

じっと手を見る

じっと手を見る