川のテラスコート

3人の子供と父で暮らしています。子供が学校行っている時はトライアスロンのトレーニングしたり、投資したり、友人と食事したり読書したり。

2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「読書感想」【おまじない】西 加奈子著 書評

色々な立場の女性が出てくる短編集。 それぞれ、人生において悩みや考えることがあるけど、「言葉」に救われる。 読みやすいので、あまり読書時間が取れない人や、読書習慣ない人でも受け入れやすいはず。 ただ半面、読みやすすぎて、読了後の満足感は低い。…

「読書感想」【私はあなたの記憶のなかに】角田光代著 書評

現在と過去の記憶をつなげる物語の短編集。 どれも著者らしいなと思える作品ではあるけど、日常を切り取っているせいか、あまり読み終わると印象に残らない。 やっぱり長編の方が良さがでる作家だと思う。 エッセイも面白い作家だけど。 私はあなたの記憶の…

「読書感想」【スイート・ホーム】原田マハ著 書評

人気洋菓子店の長女の物語から始まる連作短編集。 妹や叔母など主人公に時間軸を変えて、展開していく。 原田マハいったいどうしてしまったんだろう。 ひどい。 初期の作品だったら、同じ人間のやさしさを描くにしても、もっと内面に入っていく読み応えある…

「読書感想」【長く高い壁】浅田次郎著 書評

日中戦争時の万里の頂上で起きた、部隊10人が亡くなった事件。 敵との交戦ではなく、不可解な事件であり、従軍作家として中国を取材していた作家が事件の真相を負うため、検閲官とともに現地に派遣される。 残った現地部隊の面々の尋問と、現地の憲兵の話を…

「読書感想」【そして、バトンは渡された】瀬尾まいこ著 書評

親の都合で、父親が3人、母親が2人いる女子高生。 彼女の人生を振り返り、当時の状況から親が変わった事実を通して、それぞれの親が精いっぱい彼女を愛していたことが伝わる物語。 親としてかかわる人々の心の純粋さが心にしみる。 自分の人生だけでなく、血…

「読書感想」【不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか】鴻上尚史著 書評

特攻隊員として9回も生還した佐々木友次氏を描いた物語。 著者が佐々木友次氏とのインタビューした内容も後半に合わせて掲載。 一般的に知られている特攻隊員の姿(著者は命令した側の主張が広く伝わったためと考えている)だけではない、リアリティある姿が…

「読書感想」【海馬の尻尾】荻原浩著 書評

2度刑務所に行ったにも関わらず、組内での立場は低い及川頼也。 暴力をいとわず、アル中のヤクザの彼は、ある日組長の車に発砲した抗争相手を追跡し、山中で殺してしまう。 対抗相手からの復讐から逃げるため、アル中の治療で山中にある医療施設の8週間プロ…

「読書感想」【劇団42歳♂ 】田中兆子著 書評

ややこしい男のプライドを持った演劇仲間の同級生が、約20年ぶりに1日限りの演劇を復活させることに。 それぞれの事情を抱えながら、何とか公演初日に向けて、バタバタと格闘する様を描いていく。 人間の描き方が秀逸。 各自の葛藤や、昔からの人間模様を引…

「読書感想」【遠縁の女】 青山文平著 書評

タイトル作品を始めとする、武家時代を描く小説の短編集。 どの作品も人間をきちんと描けていて引き込まれ、素晴らしい。 単なる時代小説ではなく、それぞれ人々の暮らしがリアルに迫ってくる。 全く派手さはない短編作品でありながら、読みおわったあとの充…