父親がアメリカ人、母親が日本人でさらに養子であるアイは日本の学校で自分のアイデンティティに悩みながらも、表面的にはうまく人付き合いを続けていく。
ある時から自分の恵まれた人生に対し申し訳なさを感じ、また世界中の事故や事件で亡くなった人の人数を数えるようになる。
自分自身を探していくというよくある題材の人生物語で、その中で著者らしい独自の世界が広がるのかと期待を持って読み進めたが、いつまでたっても平凡な内容に終始してしまった。
悪くもないが、期待が大きかった分充実感は薄い。
西加奈子の作品としてはイマイチ。