これは面白かった!
江戸時代後期の囲碁界を舞台に、「名人碁所」の座を巡って活躍する人々を中心に描く。
百田尚樹はこういう人間の生きざまを描くと恐ろしいほど人間の内面に食い込み素晴らしい作品を描く。
碁の事はほとんど知らないけど、それでも実在の人物達の魅力にどっぷりと嵌ってしまった。
一応の主人公である「幻庵因碩」の活躍と苦しみの描き方はもちろん、師匠やライバルたちとの絡み方やそれぞれの人生が碁を通して、訴えてくる魅力が力強い。
百田尚樹の描く歴史ものは読み応えある。
時々つまらない作品もあるし、執筆以外の言動には色々あるけど、この実力は素晴らしい。