「読書感想」【なかなか暮れない夏の夕暮れ】江國香織著 書評
50歳で資産家の稔。
友人の会計士に一切の金銭管理を任せ、自分は本ばかり読んでいる。
たまに別れた娘と会うことが楽しみ。
姉も同じ会計士に金銭管理は任せ、ドイツに住みたまに日本に帰って来る。
この兄弟に、別れた妻や、道楽で経営しているアイスクリーム屋の店員やシングルマザーの元店員、マンションの店子である飲食店経営者の女性などとの交流を描く。
主人公稔の読んでいる「小説」自体が物語と平行して登場し、最初は戸惑う。
ただ、慣れてくると惹き込まれていく。
このような大人も描き方は、著者の特徴のひとつ。
好き嫌いは分かれると思う。