「読書感想」【ナックルな三人】ねじめ 正一著 書評
絵本作家の主人公は、編集者の紹介で挿絵を書く短期間だけ一緒だった元同級生と出会う。
始めは失礼な態度にとまどう主人公だが、画家が自分の小学校の時のナックルボールに憧れていたと聞き、いつの間にか一緒にナックルボールを投げ合う仲に。
そんな中、画家は認知症になりナックルボールを投げること以外は仕事も辞め一切興味を亡くす。
主人公は、そんな彼のナックルボールへの情熱に動かされ、もっとすごいナックルを投げる人物を探す中で、ナックルを投げる女性と出会う。
中年を過ぎた男2人と女性1人、なた拾った猫が全てナックルがつなぐ。
結構特殊な状況ではあるが、違和感なくナックルが物語の中心になり、広がりを持って行く。
ねじめ正一の描く、この手の作品はじんわりとしみて好き。
派手は展開はないけど、読みやすく、幅広く受ける良い作品だと思う。