川のテラスコート

3人の子供と父で暮らしています。子供が学校行っている時はトライアスロンのトレーニングしたり、投資したり、友人と食事したり読書したり。

「読書感想」【僕が殺した人と僕を殺した人】東山 彰良著 書評

アメリカで子供を連続して殺していた「サックマン」が逮捕される。

一方舞台は1984年の台湾にて、幼馴染の中にのちの「サックマン」がいた。

 

サックマンの弁護士が、当時の台湾を回想する中での登場人物としてのミスリードはうまく行っているけど、正直テクニックに走り過ぎ。

現在と過去のつなぎ方などはさすがと思わせるが、肝心の物語の肝が弱いためか、各エピソード単体では悪くないのに、せっかくつながっている物語の結末が薄味すぎる。

 

力はある作家だけに残念。

少年たちへの共感も抱けず。

 

僕が殺した人と僕を殺した人

僕が殺した人と僕を殺した人

 

 

 

「読書感想」【危険領域: 所轄魂】笹本 稜平著 書評

所轄の刑事として活躍する父親と、キャリアとして警視庁キャリアとして活躍する息子が活躍する警察シリーズ。

いつもの周辺刑事メンバーの活躍に加え、今回の事件の現場となる福井県警でも組織からははみ出していながら、警察官としての矜持を持ち続ける人達が彩を添える。

 

このシリーズ、最初は青臭くて白ける警察ものとおもっていたけど、段々シリーズが続くにつれて、この登場人物達の通常ありえない正義感が癖になってくる。

そしてまだまだ続くと思われる、このシリーズ続編が楽しみになってきている。

 

組織を逸脱するかなりあり得ない設定ではあるけど、登場人物達の正義感がぶれないという点で、毎回しっかりとした物語の骨格が維持されている。

 

危険領域: 所轄魂 (文芸書)

危険領域: 所轄魂 (文芸書)

 

 

「読書感想」【ドクター・デスの遺産】中山 七里著 書評

捜査1課犬養刑事シリーズ。

 

医者が関係した安楽死事件が判明。

調べていくうちに、今までに何件も同様なケースがあったのが分かり、いつもの犬養刑事、高千穂刑事が事件の解決に取り組む。

 

医療ミステリーとしては特別新しい展開ではないけど、全体的に大きな違和感なく楽しめる。

安楽死を依頼した人達の対応はちょっと疑問は残るものの、いつもの警察メンバーの登場も安心して読み進められる。

 

 

ドクター・デスの遺産

ドクター・デスの遺産