川のテラスコート

3人の子供と父で暮らしています。子供が学校行っている時はトライアスロンのトレーニングしたり、投資したり、友人と食事したり読書したり。

「読書感想」【オペレーションZ 】真山仁著 書評

破たん目前の日本の財政を救うため、国家予算の支出を半減させる国家予算を目指す総理と財務省のチーム。

 

決して絵空事ではなく、現実の日本の危機としていつでも起こりうるリアル感を醸し出している。

 

ストーリーとして面白い上に考えさせられるエンタメ。

登場人物もしっかりキャラが立っているし、何より背景描写が丁寧で現実的。

 

ほとんどの人が子供、孫世代の未来よりも自分の今の幸せを選択してしまうというあたりも単なるエンタメとして終わらない。

実際に日本国家の滅亡が絵空事でないと思わせる恐怖を感じさせる。

 

オペレーションZ

オペレーションZ

 

 

「読書感想」【ミステリークロック】貴志祐介著 書評

防犯探偵(コンサルト)が事件を解決するミステリー4編。

 

どれも著者らしいオリジナル性高い謎解きなんだけど、トリック自体が専門的過ぎて難解。

難しくて途中で飽きる人もいると思う。

こんなトリック思いつくのは凄いけど、これがありなら、もう密室殺人は何でもありな感も。

 

あまり凝り過ぎないで、もっと入り込みやすい設定の方が受けると思う。

 

ミステリークロック

ミステリークロック

 

 

「読書感想」【彼方の友へ】伊吹 有喜著 書評

 戦中の若い女性向け雑誌の編集見習いとして、勤めることになる佐倉波津子。

 

あこがれの雑誌であった「乙女の友」の編集者として、また執筆者として、主筆をはじめとする周囲の人の力を得ながら成長していく。

 

戦中、戦後を通して、雑誌作りという場面を通して、国民生活のうるおいが無くなっていく様を描きながら、当時の時代背景を伝える。

また、登場人物達がそれぞれ良い意味でも好かれない人物としても魅力的に活躍している。

 

著者らしい、人間の機微に触れる物語であり、じんわりとしみていく良い作品である。

 

彼方の友へ

彼方の友へ