「読書感想」【欧州開戦1】マーク グリーニー著 書評
ジャックライアンシリーズ。
今回はロシアの大統領が、自分の資産を守るため、ヨーロッパを攻撃し、アメリカも手出しできないような動きをしだすところまでは1巻目。
まだいつものザ・キャンパスの工作員の面々も本格的な活動までとはいかない序章。
今後に期待。
「読書感想」【彼女は頭が悪いから】姫野 カオルコ著 書評
広尾で恵まれた環境で育ち東大生になるつばさ。
横浜郊外で、ごく一般的な家庭で育ち女子大に進学する美咲。
そんな2人が出会い、美咲は初めての彼氏に心躍る日々を過ごすようになるが、つばさは東大ブランドで、東大以外の人に対しては常に見下す状態で疑問も持たずに過ごす日々であった。
そして飲み会を盛り上げる要因として、美咲に対する性的暴行を起こすが、本人は犯罪の認識は持たず、世間も東大生が悪い女に引っかかったという論調も強く渦巻く。
2人を含む周辺人物を中学時代から丁寧に描く背景から、だんだん美咲にどんな不幸が起こるのか…という、やるさない気持ちにさせながらも、読み進めざるを得ない。
東大生に対する偏見ともとられかねないが、あくまで東大というのは象徴のひとつとしてうまく機能し、心の中にある偏見を描き出している。
決して読んで気分がよくなる話ではないが、物語に捉われていく。
加害者の他者への想像力欠如の描写がすばらしくうまい。
読み進めるのが苦しい人もいると思うけど、小説としてはよくできている。
惜しむべきはラストの展開があっさりしすぎか。
「読書感想」【脅迫者 警視庁追跡捜査係】堂場瞬一著 書評
追跡捜査課の刑事が、新人時代現場で遭遇した未解決事件について、捜査を始める。
当時は意図的に捜査を中止させられた事件の背景に迫っていくが、当時の関係者の口は重い。
もうどこかの堂場作品でみたような展開で、内容が陳腐。
全くリアリティがなく、ストーリー展開が雑。
警視庁の魅力的なキャラがほんのちょっとだけ出てくるものの、はずれの警察もの回でした。
もっと他の彼らを絡ませれば少しは面白かっただろうに。