川のテラスコート

3人の子供と父で暮らしています。子供が学校行っている時はトライアスロンのトレーニングしたり、投資したり、友人と食事したり読書したり。

「読書感想」【アンドロメダの猫】朱川 湊人著 書評

 派遣社員として働く瑠璃は、ふとした偶然出会った発達障害がある少女が風俗で働かされていることを知る。

 

男に搾取されている少女が車で他の場所に連れていかれそうな瞬間に立ち会った瑠璃は、少女を連れて逃げることを決意。

ただ一緒に逃げる車の中には、表に出せない多額の現金があり、そのために悪人たちから追われるはめに。

 

展開が変わる中で人々の機微に増える展開もあり、面白い。

そしてラストにかけて、ほっとする展開かと思いきや、まさかのラストの結末。

朱川湊人の描くほのぼのとした内容はあるものの、ちょっといつもの展開とは違う点もあり。

そのせいか、著者のいつもの作品の読了感とは違う。

 

アンドロメダの猫

アンドロメダの猫

 

 

「読書感想」【信長の原理】垣根 涼介著 書評

信長自身が嫌われ恐れられている現実に向き合いながら、統一へと突き進む姿を幼少の頃から描く。

 

信長の内面描写と同時に周囲の人物から見る信長の姿がいきいきと描かれていて、ボリュームなる内容ながら一気に読める。

裏切り続けられた信長がその真実に迫るなか、最後に光秀が予想外に裏切者になる事実へのアプローチが独自で、またプロットがしかkりして読ませる。

 

信長への新たな見方ができる面白い内容だった。 

 

信長の原理

信長の原理

 

 

「読書感想」【屍人荘の殺人】今村 昌弘著 書評

同じ大学生の男女が別荘に映画撮影の名目で集まる。

映画研究会のOB3人も参加するが、昨年事件が起こり不穏な雰囲気を醸し出した合宿となる。

 

到着初日の夜に肝試しに出かけたメンバーは突如ゾンビに襲われ、ペンションに立てこもることになる。

密室のはずのペンション内でなっぜか次々殺人が起こっていく。

 

前半のつかみの部分がやや入りにくいが、全体的には素晴らしいプロット。

ミステリーとしても読みやすいし、展開が早くて飽きさせない。

 

殺人者の動機や、置いてきぼりにされた事柄も多々あるが、それらを差し引いても勢いある文体で読ませる。

 

今後も期待できる作家かも。

 

屍人荘の殺人

屍人荘の殺人