「読書感想」【黙過】下村敦史著 書評
パーキンソン病を演じている父親の詐称や、子豚が突然消える謎に迫るなど、独立したミステリーが続き、最後の物語で、実はそれぞれの物語が密接に関わってくる。
前半のミステリーはそれなりに読ませる。
下村敦史らしい、丁寧な取材力で、どの話も違和感なく展開されている。
ただそれだけに最後の物語は、ちょっと飛躍し過ぎでいきなり現実感がなさすぎる。
ミステリーとしては悪くはないとは思うけど、扱う題材が命に関わるものなので、ちょっと話として違和感抱く人が多いのではないか。
作家としての実力は見ることができるが、最後の展開は凝り過ぎだと思う。