「読書感想」【アウトサイダー 陰謀の中の人生】フレデリック・フォーサイス著 書評
「ジャッカルの日」「オデッサ・ファイル」などの著者であるフォーサイスの自叙伝。
いや、彼の人生は凄いの一言。
小説以上の内容で面白い。
小説の丁寧の取材は実は命がけの取材あってのものというのはまだ想像できるが、キャリアのスタートが空軍パイロット、その後のBBCや東ベルリンでの生活や内戦時のナイジェリアの様子など表にでない話のオンパレード。
また実際のスパイとしての活動など、想像の範囲を超える内容のオンパレード。
全部が事実だとは限らないけど、話半分だとしてもこんな人物は他にいない。
逆にまだオープンにできないことも数多くあるだろうかが、いったいどんな人生を送ってきたことやら。
また彼の初期の作品を読み返したくなる。
フォーサイスのファンなら必読の一冊。
「読書感想」【終りなき夜に生れつく】恩田陸著 書評
「読書感想」【よるのばけもの】住野 よる著 書評
夜になると化け物に変わる男子生徒が、夜中の教室に忍び込んだところクラスのいじめられている女子と出会い正体を見破られる。
昼間は無視するが、夜には彼女と会話する関係が続く中、段々彼の心の中にクラスの彼女に対する態度が気になっていく。
ずっと注目しているけど、相変わらず住野よるは素晴らしい。
思春期の他人への評価が気になって仕方がない世代を自分を守るためという錦を掲げて生きている物語を描いていく。
ラストに向かい、自分を守るという言い訳で他人を傷つけている事に気が付く展開が見事。
良い作品だった。
今後も期待できる作家。