川のテラスコート

3人の子供と父で暮らしています。子供が学校行っている時はトライアスロンのトレーニングしたり、投資したり、友人と食事したり読書したり。

「読書感想」【劇場】又吉直樹著 書評

劇作家として小さな劇団に所属している主人公。

 

自分の性格も相まって、人生も劇団の仕事も上手くいかず、精神的に死にかけていた時に出会った恋人。

 

主人公のダメさ加減と、そんな中でも焦る気持ちと流される日常がリアルに描かれている。

もがき苦しみながら生きていきながら、身近な人への心配りが出来ない人物描写が際立っている。

なんか、自分の若いころのあせる気持ちの一部を思い出させるようで、読んでいて苦しくなる部分もある。

 

ハッピーエンドとして終わらない部分も、現実感だしていて良い。

 

面白さを感じるかは人それぞれだと思うし、作品としての完成度に不満がある人も当然いると思うが、著者らしい心の叫びが伝わる作品である。

 

 

劇場

劇場

 

 

「読書感想」【真夏の雷管】佐々木譲著 書評

道警シリーズ。

いつものメンバーが勢ぞろいで、JRを舞台とした犯罪解決に活躍する。

 

少年犯罪や、空き巣から、大きな事件へとつながっていく過程は見事だし、署員たちの動きもテンポよく進む。

ただ、この作品シリーズ全般に言えるのだけど、どうも臨場感が薄い。

そのため、物語のスピード展開は早いのに、なぜか読んでいてワクワクしない。

 

登場人物達はいつもの期待を裏切らない活躍で、今度も読みたいのだけど、なんかもうちょっと物語に入り込めたらいいのだけど。

 

 

真夏の雷管

真夏の雷管

 

 

「読書感想」【猫が見ていた】湊かなえ著, 有栖川有栖著, 柚月裕子著 他 書評

猫をモチーフにしたアンソロジー。

 

最初の湊かなえさんの話はほぼ実話だと思われ、著者のエッセイを読んでいる人はさらに楽しめる。

 

特に猫の関わりが大きい作品だけではないし、猫好きとか関係なく楽しめる。

ただ短編なので、読み応えという点では物足りない。