川のテラスコート

3人の子供と父で暮らしています。子供が学校行っている時はトライアスロンのトレーニングしたり、投資したり、友人と食事したり読書したり。

「読書感想」【俺はエージェント】大沢在昌著 書評

老スパイを中心に、スパイに憧れるニートも参加し、誰が裏切者で、どんな背景があるのか分からないまま、いきなりスパイ同士の殺し合いが始まる。

 

次々予想のつかない展開で、全員の立ち位置がコロコロかわり、ストーリーに飽きさせず、最後迄面白い!

本当に最近駄作続きの大沢在昌作品かと思う、予想を裏切る面白さ。

毎回がっかりさせられながらも諦めずに読み続けて良かったよ、この作家。

 

ただ本格的なスパイものとは全く違う、登場人物達と背景を疾走感とともに楽しむ物語。

読み物よりも、映像も方が好みの人も多くなりそうな作品。

 

個人的にはもっとシリーズとして続いてほしい位面白かった。

 

俺はエージェント

俺はエージェント

 

 

「読書感想」【スープ屋しずくの謎解き朝ごはん 想いを伝えるシチュー】友井羊著 書評

スープ屋しずくシリーズ3弾。

 

ミステリー自体は、単純すぎて誰でもすぐに答えが分かる。

このシリーズは、最初から読んで、それぞれの人間模様を眺める作品かなぁ。

途中で読むと多分人間関係は分からない。

 

最初は面白かったけど、ちょっとマンネリ気味。

料理の詳しい描写も、本筋と絡まないので、中途半端。

 

 

「読書感想」【英龍伝】佐々木譲著 書評

伊豆韮山の代官「江川太郎左衛門英龍」の生涯を描く。

 

貧困にあえぐ韮山の代官でありながら、国の将来のため、自費で蘭学、西洋砲術を学ぶ。

黒船来航のはるか前から、国の国防について意見を述べるが、保守派の面々の妨害もあり、なかなか活躍できない時代が続くが、晩年には江戸の海防に身を捧げる。

 

あまり歴史の表舞台で語られることがない主人公だが、幕末の役人としての心意気が伝わり、興味深い人物として丁寧に描かれている。

 

ペリー来航に対する責任者として、人生の晩年の描き方が駆け足になっているのはもったいない。

そこまでの過程が丁寧に描かれている分、歴史の表舞台での活躍についてももっと描いてほしかった。

 

英龍伝

英龍伝