【読書感想】 君の膵臓をたべたい 住野 よる著 - 泣かずにはいられない人の気持ちの深層
個人的にはストライクど真ん中の作品だった。
余命1年の女子高生と、その同級生で友人がいない男子高校生が主人公。
唯一家族以外で病気の事を知ることになる男子高校生に平凡な日常を求める女子高生と、人との関わりが薄くそれだけに他の人とは違う視点で関わりを持つ男子高校生の描き方が素晴らしい。
女子高校生の出来るだけ日常を求める気持ち、男子高校生の自分が意識しない中での人との付き合い方の成長、後半わずかしか登場しないお母さんがその一瞬で訴えかける力に惹き込まれる。
女子高生のラストなど細かい点で完全に満足するわけではないが、それらを差し引いても物語全体のすばらしさは色あせない。
読みやすいので、普段あまり読書しない人でも間違いなく楽しめる。
素晴らしかったのでこの作家は今後の作品も追いかける予定。