「読書感想」【橋を渡る】 吉田 修一著
2014年の東京で暮らす接点のない登場人物達。
ビール会社に勤める男の家には甥っ子が同居し、身に覚えのない贈り物が届けられる。
都議会議員の妻は、夫のある行為を目撃し、またママ友の不倫を知る。
TVジャーナリストは新しい遺伝子研究の取材を行う。
それぞれ別々な話が中途半端で展開され、途中までは消化不良。
ただしラストまで読み進めていくと、物語が繋がってきて一気に面白い作品へと豹変する。
今までの吉田修一らしくない反面、この筆力は吉田修一らしくもあり。
今の人類が進むべき道は方向を間違えていないのか、橋を渡るべきなのか。
個人的には前半で期待はずれと思いきやラストに来て楽しめたが、吉田修一の作品としては評価分かれるかも。