川のテラスコート

3人の子供と父で暮らしています。子供が学校行っている時はトライアスロンのトレーニングしたり、投資したり、友人と食事したり読書したり。

読書

「読書感想」【遠縁の女】 青山文平著 書評

タイトル作品を始めとする、武家時代を描く小説の短編集。 どの作品も人間をきちんと描けていて引き込まれ、素晴らしい。 単なる時代小説ではなく、それぞれ人々の暮らしがリアルに迫ってくる。 全く派手さはない短編作品でありながら、読みおわったあとの充…

「読書感想」【みちづれはいても、ひとり】寺地はるな著 書評

同じアパートに隣り合って住むアラフォーの女性2人 一人の独身女性は退職し、夫と別居中の女性は休職中。 2人とも無職の時に、失踪中の別居している旦那が生まれ故郷の島にいるとの噂があり、女2人旅でその島に行くことにする。 登場人物は多いわけではない…

「読書感想」【国会議員基礎テスト】黒野伸一著 書評

栃木県の3代目として国会議員になった黒部優太郎。 ボンとよばれ、部会や委員会をざぼり、いつも父親の代から秘書である橋本がしりぬぐいをしていた。 そんな官僚出身の橋本は、国会議員も一定の学力があるものが就任するべきとの考えから、自分の使える黒部…

「読書感想」【ルビンの壺が割れた】宿野かほる著 書評

突然SNS経由で送られてきたメール。 送り主は、学生時代付き合っていた男からだった。 それをきっかけに不定期に、メールのやり取りをすることに。 そのメールの内容によって、男女の関係だけでなく、当時の周辺人物達の様子が明らかになっていく。 読みやす…

「読書感想」【騙し絵の牙】 塩田武士著 書評

出版会社の雑誌編集長が主人公。 業界の不振で、廃刊が相次ぐ中、ついに担当雑誌も黒字化しないと廃刊の危機に陥り、廃刊を阻止するべく奮闘する。 面白い! 出版業界を丁寧に取材したと思わせるディテールはもちろん、日和見な上司や、それぞれ癖がある同僚…

「読書感想」【刑事の怒り】薬丸岳著 書評

人情ものの夏目刑事シリーズ短編集。 どの話も事件の解決に向けて、少し寂しい気持ちになってしまう。 夏目刑事の家庭背景だけでなく、新しい相棒も心に傷を負っているなど、いつもの通り、人間としての心の奥底を除きながら展開していく。 読んで面白い!と…

「読書感想」【護られなかった者たちへ】中山七里著 書評

社会保証制度をベースにした、一応社会派ミステリー。 仙台の社会保険事務所の職員が餓死の状態殺害されているのが発見される。 その後、元その職員の上司も殺害される。 一方刑務所から仮出所した男は、過去に社会福祉事務所に乗り込んで職員に暴行している…

「読書感想」【路上のX】桐野夏生著 書評

さすが桐野作品という真骨頂の女性を描いた作品! 親に捨てられ行き場をなくし渋谷をうろつく女子高校生が主役の物語。 不条理を嘆きながらもお金のために自分を切り売りする彼女たちに襲い掛かる、一枚上手の欲望にまみれた大人たち。 大人も女子高校生も登…

「読書感想」【表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬】若林正恭著 書評

オードリー若林氏のキューバ旅行のエッセイ。 一人でキューバで体験したことが、彼の人柄そのままに伝わってくる。 ただの旅行記とは違う、血の通った旅の一コマが伝わってきて心地よい。 表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬 作者: 若林正恭 出版社/…

「読書感想」【ノーマンズランド】誉田哲也著 書評

姫川玲子シリーズで安定の面白さ。 葛飾署管内での殺人事件の応援に入った姫川班を含む捜査1課11係。 容疑者が浮かぶものの、既に他の事件で拘束されている人物であることが分かるが、その事件については一切秘匿されており、情報がない。 事情を探るうちに…

「読書感想」【卑劣犯 素行調査官】笹本稜平著 書評

警視庁観察室の面々が事件の解決に奮闘するシリーズ。 警察ものとしてはリアル感はないものの、シリーズを通して中心メンバーの3人がぶれずに活躍する姿は安定感あり。 あらかじめ殺人事件として追うべき警察内部の犯人の目星をつけての、アプローチとなるた…

「読書感想」【ディレイ・エフェクト】宮内 悠介著 書評

現代の東京で、戦時中の同じ場所の風景が透けて見えるという不思議な現象で生きている人々。 東京大空襲の時間が刻々と近づいてくる中、日常を過ごしている。 斬新な切り口の作品。 好みは分かれそうだけど、ひきつけられる何かがある。 一見目に見える事実…

「読書感想」【映画化決定】友井羊著 書評

漫画家志望の男子高校生と映画制作で才能を認められている女子高生。 最初は拒絶していた漫画を原作に、映画を作る物語。 一応青春物語という切り口なのだろうけど、何もかもひどい。 高校生ではありえない知識や行動、むしろ20代後半の出来事としたほうがま…

「読書感想」【アキラとあきら 】池井戸潤著 書評

同じ「あきら」という名前を持ちながら、片や跡継ぎとして裕福な家庭に育ち、もう一方は親の工場が倒産する貧しい家庭に育つ。 そんな2人はそれぞれの環境で努力し、同じ銀行に勤めることになる。 面白い! 人間関係の描き方は相変わらずの池井戸ワールド。 …

「読書感想」【きょうの日は、さようなら】石田香織著 書評

親が再婚したことにより、兄妹になった兄のキョウスケと妹のキョウコ。 幸せな時間をすごしていたが、兄の母親が借金で疾走し、兄と妹も離れ離れになることに。 その数年後再会し、つかず離れずの関係ながら、お互いを気にしながら生きていく。 登場人物もそ…

「読書感想」【俺はエージェント】大沢在昌著 書評

老スパイを中心に、スパイに憧れるニートも参加し、誰が裏切者で、どんな背景があるのか分からないまま、いきなりスパイ同士の殺し合いが始まる。 次々予想のつかない展開で、全員の立ち位置がコロコロかわり、ストーリーに飽きさせず、最後迄面白い! 本当…

「読書感想」【スープ屋しずくの謎解き朝ごはん 想いを伝えるシチュー】友井羊著 書評

スープ屋しずくシリーズ3弾。 ミステリー自体は、単純すぎて誰でもすぐに答えが分かる。 このシリーズは、最初から読んで、それぞれの人間模様を眺める作品かなぁ。 途中で読むと多分人間関係は分からない。 最初は面白かったけど、ちょっとマンネリ気味。 …

「読書感想」【英龍伝】佐々木譲著 書評

伊豆韮山の代官「江川太郎左衛門英龍」の生涯を描く。 貧困にあえぐ韮山の代官でありながら、国の将来のため、自費で蘭学、西洋砲術を学ぶ。 黒船来航のはるか前から、国の国防について意見を述べるが、保守派の面々の妨害もあり、なかなか活躍できない時代…

「読書感想」【サハラの薔薇】下村敦史著 書評

エジプトで発掘作業をしている学者の主人公が、発掘中に発見した石棺から最近亡くなったと思われるミイラが発見される。 エジプト側はこの発見にかん口令を敷き、学者が乗ったフランスへの移動中飛行機が砂漠の真ん中で墜落する。 その砂漠からの生還を求め…

「読書感想」【おもかげ】浅田次郎著 書評

定年を迎えた商社マンの男が、帰りの電車で意識不明となりICUに入院となる。 その男は、親を知らず孤児院で育ち、不幸な身の上でありながら、苦労を大手に見せない人生を送っていた。 その意識不明な状態の中で、家族を始め、孤児院の仲間や、会社時代の同期…

「読書感想」【カーテンコール! 】加納 朋子著 書評

廃校になる女子大学を卒業できなかったワケあるのメンバーが、半年間の合宿形式の補習で卒業の特別講義を受けることに。 それぞれの女性たちのワケある具合が、明らかになっていきながら、それぞれの成長を描く。 大病をした著者ならではの視点という意味で…

「読書感想」【逃亡刑事】中山七里著 書評

千葉県警の麻薬を追っていた警官が殺される。 その犯人を追っていた捜査一課の有名女性刑事が、嵌められ犯人として追われる。 殺人事件の目撃者である8歳児と一緒に逃亡することに。 うーん、中山七里は警察ものはイマイチかな。 エンタメ仕上げなんだけど、…

「読書感想」【悪寒】伊岡瞬著 書評

大手製薬会社から地方の関連会社に飛ばされた男に、妻からトラブル発生のメールが送られる。 取り急ぎ東京に戻る途中に、警察から妻が自宅で殺人容疑で逮捕されたとの連絡が入る。 殺された人物は男を地方に飛ばした製薬会社の常務だった。 後半にかけて、展…

「読書感想」【地下道の鳩】ジョン・ル・カレ著 書評

スパイモノを始めとする国際舞台の裏側を描いているジョンルカレの回想録。 あえて誇張することなく、むしろ控えめに、自身の諜報機関での活動や、紛争地帯の取材などを書き記している。 どの小説の登場人物より、自分自身が裏側の世界にはまり込んでいる著…

「読書感想」【セブンズ! 】五十嵐貴久著 書評

岩手県釜石市の女子ラグビーチームが舞台。 地元の期待を受けるプレシャーを受けながら、現実は部員集めにも苦労する状態。 選手兼監督の浩子は国体に向けて、過酷なトレーニングを行う。 またバスケで高校に進学した妹も、嫌っていたラグビーメンバーに参加…

「読書感想」【妻に捧げた1778話】眉村卓著 書評

作家であるご主人が余命宣告された妻に毎日1つのショートショートの作品を送る。 その作品の抜粋と、ご主人が当時の環境を振り返りながら時系列を追っていく。 評判ほどの単純に感動するという作品ではない。 ただ日常を共にした妻との何気ない淡々とした日…

「読書感想」【くちなし】彩瀬まる著 書評

色々な愛の形の物語を集めた短編集。 現実の世界だけでなく、SF的な作品やファンタジー風味もあり、作品により得手不得手があるかも。 彩瀬まるらしい世界観は伝わって来る。 [asin:4163907394:detail]

「読書感想」【道標 東京湾臨海署安積班】今野敏著 書評

臨海署刑事課強行犯第一係安積班のメンバーも織り交ぜながら、安積刑事の警察学校から、現代までの成り立ちを描いていく短編集。 一つの事件を解決する物語の面白さとは違って、人間として安積を始め、周囲の人物の魅力を引き出している。 この本だけでも面…

「読書感想」【革命のファンファーレ 現代のお金と広告】西野亮廣著 書評

予想外と言っては失礼だけど、全く期待しないで読み始めたものの、内容は良いこと書いてあった。 実体験としての、自分や商品の売り方としての手法は一読の価値あり。 ただ残念ながら、本としての体裁が悪く書籍としては読みにくい。 これは著者というより、…

「読書感想」【さらさら流る】柚木麻子著 書評

昔付き合った同級生に取られた裸の写真が、6年後に流出しているのに気が付く。 付き合い始めたきっかけの出来事からの時間と、現代の時間を織り込みながら、物語は進んでいく。 写真を撮られた女性の心理描写や、家族との関係の描きかた、友人の関わり方など…