川のテラスコート

3人の子供と父で暮らしています。子供が学校行っている時はトライアスロンのトレーニングしたり、投資したり、友人と食事したり読書したり。

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「読書感想」【スープ屋しずくの謎解き朝ごはん】友井羊著 書評

ビジネス街にある人気のスープ屋。 モーニングは宣伝もせずひっそりと開店しており、そこを訪れる客の悩みを店主が絡んで解決していく連絡ミステリー。 最初の話はまずまず。 ただその後の話は、平凡。 スープ屋である必然性も少なく、またミステリー自体が…

「読書感想」【教場0 刑事指導官・風間公親】長岡弘樹著 書評

刑事になって3か月の新人刑事が、OJTで風間刑事の元に送られ、時間の解決を迫られる短編集。 設定に多少の無理があるのはいつもの事ではあるが、どの事件も解決へのミステリー仕立てはアイデアとして悪くない。 どれも心理的な点をトリックにしている点で著…

「読書感想」【ナックルな三人】ねじめ 正一著 書評

絵本作家の主人公は、編集者の紹介で挿絵を書く短期間だけ一緒だった元同級生と出会う。 始めは失礼な態度にとまどう主人公だが、画家が自分の小学校の時のナックルボールに憧れていたと聞き、いつの間にか一緒にナックルボールを投げ合う仲に。 そんな中、…

「読書感想」【森へ行きましょう】川上弘美著 書評

パラレルワールドで、どこかに自分と違う人生を送っている別の自分がいる世界を描く。 生まれたときから、現代までを、それぞれの時間軸で悩みながら進んでいく女性の姿が、年を追うごとに大きく変わっていく。 進学、恋愛、結婚、仕事など人生での無数の選…

「読書感想」【波濤の城】五十嵐貴久著 書評

女性消防士が活躍シリーズで今回は大型客船での火災が舞台のパニック小説。 沈没前に何とか逃げようとする緊迫感はそれなりにあるが、どうも2番煎じで入り込めず。 実際に船がトラブルになるまでの人間模様の描き方も平凡すぎて、登場人物が良くも悪くも魅力…

「読書感想」【身代わりの空(上・下巻) 警視庁犯罪被害者支援課4】堂場瞬一著 書評

富山空港での飛行機事故に関連して、警視庁の犯罪被害者支援課が動き出す。 死亡被害者の一人が、指名手配犯と判明し、また意識不明で重体の男の身元も不明。 裏に仕組まれた、大きな犯罪に少しづつ捜査の過程で近づいていく。 直接捜査を行う部署ではない、…

「読書感想」【スリーパー 浸透工作員 警視庁公安部外事二課 ソトニ】竹内明著 書評

外事二課 ソトニシリーズの諜報ミステリー。 今回が一番面白く読み応えあり。 また現実かフィクションなのか今日本で起きている事と、北朝鮮の現実がリアルに描かれている。 日本国内に根を張って生活しているスリーパー工作員。 それを追う公安や、主人公達…

「読書感想」【砂上】桜木紫乃著 書評

北海道に住む離婚経験者の独身女性。 いつか作家になる夢を抱きながら、現実はビストロ勤務と離婚した夫からの慰謝料でギリギリの生活を送る毎日。 そんな彼女の目の前に女性編集者が現れ、彼女の人生そのものを物語として描いていくことになる。 彼女の人生…

「読書感想」【盤上の向日葵】柚月裕子著 書評初代菊水月作の名駒

タイトル戦に挑む異色の棋士に、殺人事件の関与が疑われ捜査をしていることから物語は始まる。 遺体と一緒に土の中から見つかった初代菊水月作の高価な将棋の駒の持ち主を探す過程で、過去に遡って幸せとは言えない人生を過ごした棋士の人生を追いかけていく…

「読書感想」【宮辻薬東宮】宮部みゆき, 辻村深月, 薬丸岳, 東山彰良, 宮内悠介著 書評

人気作家による、ミステリーのアンソロジー。 いつものテイストとは異なる作品を描いている作家もいたけど、すべて楽しめた。 ホラーチックな作品がベースで、特に薬丸岳の作品が好み。 著者ごとの特徴が現れているアンソロジー。 宮辻薬東宮 作者: 宮部みゆ…

「読書感想」【マルトク 特別協力者 警視庁公安部外事二課 ソトニ】竹内 明著 書評

元公安部外事二課で、現在はNYに外務省職員として出向している主人公の続編公安スパイもの。 日本に亡命を期待した北朝鮮の大物がアメリカで殺害され、一方日本では北朝鮮へ亡命した元公安職員が船で漂流して日本に帰ってきて、政府の中核へと入っていく。 …

「読書感想」【背乗り ハイノリ ソトニ 警視庁公安部外事二課】竹内 明著 書評

公安部外事2課で活躍した捜査官が、大きな任務失敗によりNY日本国総領事館の警備対策官として干されていた。 NYを訪れた次期総理との呼び声も高い外務大臣が、ホテルの部屋で毒薬で殺されかける。 その事件の解決のため、日本に一時的に戻り昔の部下の協力も…

「読書感想」【風神雷神 雷の章】柳広司著 書評

前作に引き続き、宗達が「俵屋」の主人となってからを描く。 公卿の烏丸光広との出会いによって、公家との関わりも深めていく中、養源院に唐獅子図・白象図、相国寺に蔦の細道図屏風を描いていく。 ラストは国宝の風神雷神図屏風。 新しい事に取り組む意気込…

「読書感想」【院長選挙】久坂部羊著 書評

国立病院の院長が亡くなり、4人の副院長が次の院長候補に。 医療崩壊を題材に病院を取材始めたルポライターが、癖が強い4人それぞれの副院長に圧倒されながら、病院の各部の人間模様を描いていく。 著者らしい、医療を舞台にしたコメディ。 病院の内側を描く…

「読書感想」【AX アックス】伊坂幸太郎著 書評

サラリーマンで極度の恐妻家が「殺し屋」として活躍する著者の「殺し屋」シリーズの一つ。 殺し屋としての活躍と、家庭でのギャップがうまく融合して、キャラクターの魅力を高めている。 連作短編として、時間軸を飛ばした最終話まで楽しめる。 やっぱり伊坂…

「読書感想」【風神雷神 風の章】柳 広司著 書評

国宝の風神雷神図屏風を描いた、宗達の物語。 本作では「俵屋」の後を継ぐまでを描く。 幼馴染の角倉与一、紙屋宗二との関係から、大きく飛躍するまでの人生が舞台。 柳広司が題材とするのはちょっと意外だったけど、主人公の魅力は伝わって来る。 ただ、歴…

「読書感想」【もし文豪たちが カップ焼きそばの作り方を書いたら】神田 桂一著 書評

話題になっていたので、読んでみた。 内容はタイトルの通り。 企画としては面白いかも。 さらっと読める。 もし文豪たちが カップ焼きそばの作り方を書いたら 作者: 神田桂一,菊池良 出版社/メーカー: 宝島社 発売日: 2017/06/07 メディア: 単行本 この商品…

「読書感想」【みかづき】森絵都著 書評

学校の用務員が、自発的に放課後勉強を教えることから物語は始まる。 生徒の母親から一緒に塾を運営して欲しいという申し出から、親子3代にわたる塾を中心とした、壮大な教育を舞台にした人間模様が描かれる。 これはすごく良い! 前半は国民学校時代の教育…

「読書感想」【女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと】西原理恵子著 書評

著者の子育てを通した指南書的なもの。 うーん、ごくごく普通の事しか書かれていないけど、これは本当に娘を持つ母親に響くのかな。 個人的には、著者に期待するとこ大だっただけに、全くの期待外れだったけど、評価高い部分もあるので共感する人はいるのだ…

「読書感想」【アナログ】ビートたけし著 書評

いかにもビートたけしが描きそうな少し奥ゆかしい青年の恋愛小説。 読了感は悪くはない。 ただ、全体的に既視感があるというか、平凡ではある。 その分横道にそれないので、安心して読み進めることはできるが、最近の恋愛小説のいくつもの展開に振り回せれる…

「読書感想」【騎士団長殺し】第1部 顕れるイデア編 第2部 遷ろうメタファー編 村上春樹著 書評

妻から突然離婚を告げられた、肖像画を専門に描く画家が、小田原の山中の家へ引っ越す事で起こる不思議なことが起こり始める。 本作品は村上春樹らしさの比喩を織り交ぜながら、比較的読者よりの作品になっているので、読みやすい。 著者の作品としては、色…

「読書感想」【ソロ SOLO】笹本稜平著 書評

笹本稜平の真骨頂の山岳もの。 今回はヒマラヤのローツェ南壁が舞台。 普段ソロで壁を登っている主人公。 彼のヒーローであった伝説の登山家トモが当時の常識外れの方法で登ったルートは、後日疑惑をもたれ、その正しさを証明するために挑戦をする。 パター…

「読書感想」【ヒストリア】池上 永一著 書評

第二次世界大戦の沖縄で、爆撃によって死ぬはずが魂(マブイ)を落とし、生き残った女性。 家族など自身の身の回り全てを無くすも、力強く戦後の沖縄で商売を始め成功を収めるも、関わった男のせいでアメリカからのお尋ね者になってします。 移民としてボリ…

「読書感想」【花のようなひと】佐藤 正午著 書評

人々の日常を花をモチーフにして、描く物語。 綺麗な文章だとは思うけど、ちょっと著者に期待していたものとは違った。 こういう文章に深く思いを寄せる感性がある人は繊細な人なのかなと思うけど、自分には合わなかった。 花のようなひと (岩波現代文庫) 作…

「読書感想」【迷: まよう】アミの会(仮)著 書評

迷うをテーマにした、アンソロジー。 軽い感じの中にミステリーもあり、それぞれ楽しめる作品。 作家によってはやはり好みの問題が出てしまうのがアンソロジーではあるが、今回は全員ではないものの全体に渡って楽しく読めた。 アミの会(仮)のアンソロジーは…

「読書感想」【R帝国】中村文則著 書評

近未来のR帝国が、隣国と戦争を始める。 国を動かす独占的な力を持つ「党」と、それを無条件に信じる国民。 盲目的な国民と、ネットでのみ大きな態度を取る愛国者、難民・民族差別を行う国民、貧困層でありながら自分より悲惨な人達がいるので満足している人…

「読書感想」【緑の窓口 ~樹木トラブル解決します~】下村 敦史著 書評

役所で新設された樹木に関する部署「緑の窓口」に配属された2人。 専門家の女性樹木医と一緒に、持ち込まれた案件を解決する軽めのミステリー。 今までの下村敦史の作風からすると全く毛色が違い、新しさに挑戦するチャレンジは評価するも、内容、ミステリー…

「読書感想」【あのこは貴族】山内 マリコ著 書評

渋谷区松濤生まれで決まったレールの上を進んできたお嬢さん華子。 周囲の友人が次々結婚する中、いつも付き合う彼氏には重い気持ちを負担に感じられるのか、長続きしないことに焦り、婚活を始める。 しかし、世の中には自分の育った環境とは全然違う人達が…

「読書感想」【風と共にゆとりぬ】朝井リョウ著 書評

『時をかけるゆとり』の続編にあたるエッセイ。 著者の日常が楽しく描けている。 日々の無駄とも思える一生懸命な行動が面白い。 クスクス笑える部分が散りばめられている。 正直 朝井リョウの小説が面白いと思ったことは一度もないが、エッセイは本当に面白…

「読書感想」[素敵な日本人] 東野圭吾著 書評

ミステリー短編集。 ちょっと首をかしげる部分もなくはないけど、それでも全編良い感じで仕上がっていて読みやすい。 東野圭吾らしさは特にない作品が多いけど、それでもラストの作品など目を引き作品もいくつか。 気楽に読める1冊。 素敵な日本人 東野圭吾…